「欧州でいちばん大きな病人」ドイツの混沌

執筆者:佐瀬昌盛 2005年11月号
カテゴリ: 国際
エリア: ヨーロッパ

ドイツの総選挙は二大政党の「負けくらべ」だった。だが、勝ち負けだけを見ていては、この大国の真の“病巣”はわからない。 総選挙実施から三週間、ドイツでやっとメルケル新首相の下、大連立政権が発足する運びとなった。 シュレーダー首相によるドイツ連邦衆議院の解散とわが国の小泉首相の衆議院解散とは、あるところまでは《他人の空似》だった。郵政民営化法案を参議院で拒否されると、小泉首相は衆議院を解散した。ドイツの連邦参議院は十六州の州政府代表によって構成されるが、今年五月のノルトライン・ウェストファーレン州議会選挙でSPD(ドイツ社会民主党)が大敗し、連邦参議院で野党の圧倒的優勢が一層強まると、シュレーダー首相は強引に衆議院解散に漕ぎつけた。彼我ともにその手法は物議を醸した。たとえ衆議院選で勝っても、解散なき参議院での反対派優勢は変らないではないか、というのだった。ただ、《空似》はそこまで。

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執筆者プロフィール
佐瀬昌盛 防衛大学校名誉教授。1934年生れ。東京大学大学院修了。成蹊大学助教授、防衛大学校教授、拓殖大学海外事情研究所所長などを歴任。『NATO―21世紀からの世界戦略』(文春新書)、『集団的自衛権―論争のために』(PHP新書)など著書多数。
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