改革に失敗したメキシコは巨大野党PRIに「後戻り」か

執筆者:藤原章生 2005年12月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中南米

[メキシコシティ発]「日本の自民党が(九四年に)復権したように、また我々の時代になります」 メキシコの巨大野党、制度的革命党(PRI)は、よく日本の自民党とからめて論じられる。そのPRIのサムエル・アギラル元上院議員は、来年七月の大統領選で勝つのは党公認の候補、ロベルト・マドラソ前党首以外ないと訴える。 PRIの一党支配の歴史は自民党よりも長い。革命後の一九二九年、全土をまとめるため「国民革命党」という名で発足し、四六年にPRIと改名、以来、国民行動党(PAN)のビセンテ・フォックス大統領が就任する二〇〇〇年まで政権を握った。それまでは、与党PRIは官僚から業界団体、労働組合、村落にまで党員を張り巡らし、政党というより、利権、資金、コネを媒体に増殖する一つのシステムだった。一億人の人口中、党員一千五十万を抱え、二世、三世党員が珍しくない中で、古参は「恐竜」にたとえられる。 一度国民に拒絶されたことでPRIの勢力が衰えたわけではない。サムエル・レオン・メキシコ自治大教授によると、PRIは連邦制下の三十二州中十七州で知事を、二十一の州議会で議員の過半数を抱える。中産階級のカトリック信者を母体とする中道右派PANは知事数九、州議会で議員が過半数超の州は三に過ぎない。南部の首都メキシコシティで支持される八八年発足の左派、革命民主党(PRD)は、この数が知事五、州議会四にとどまっている。下院議会(五百議席)の〇三年の改選で、PRIは二〇〇〇年の二百十一から二百二十四に議席を増やし、PANは二百二十三から百五十一議席に激減した。

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