ピクサーはディズニー・アニメを救えるか

執筆者:岩田登 2006年4月号

 米ウォルト・ディズニーがピクサー・アニメーション・スタジオズを買収することが一月末に明らかになった。 ピクサーのオーナー、スティーブ・ジョブズがアップルコンピュータのCEO(最高経営責任者)を兼ねるため、ディズニー=アップル連合への布石と見る向きもあるが、アニメ不振のディズニーがピクサーに命運を託したのが実情だ。だが、水と油のような社風が融和できるのか危ぶむ声も多い。成否のカギを握るのは買収劇の真の主役ジョン・ラセターだ。 サンフランシスコ近郊エメリービル。隣はベトナム反戦運動やヒッピームーブメントで知られるバークレーだ。全米で最もリベラルな場所にピクサーはある。「ブッシュ支持」と言おうものなら異星人を見るような目つきで見られる土地柄だ。 社風は自由奔放。勤務中に泳ぐ(会社にプールがある)、会議にキックボードで現れる、おもちゃの城を築く輩までいる。アニメーターとコンピューターおたくを尊重する風土が競争力の源泉である創造性を育て、世界興行収入が八億六千四百万ドルという大ヒットとなった「ファインディング・ニモ」や、「トイ・ストーリー」などを生み出した。 一方、ロサンゼルス郊外バーバンクにあるディズニーは前CEOのマイケル・アイズナーが二十年以上ワンマン体制を敷いたため、官僚的で保守的。名門の気位も高い。

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