ボコ・ハラム「少女大量拉致事件」が解決しない理由

白戸圭一
執筆者:白戸圭一 2014年8月1日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: アフリカ 北米

 今年5月14日の記事で、ナイジェリアの武装組織ボコ・ハラムについて書いた(「『ボコ・ハラム』はなぜ多数の女子生徒を拉致したのか」)。今年4月に同国北東部で200人以上の少女を拉致し、オバマ米政権が少女の救出のためにナイジェリア政府に支援を申し出たことで俄かに日本メディアの注目を浴びた、あのナイジェリアのイスラム武装組織である。

 その後、イラク情勢の急変、イスラエルのガザ侵攻、ウクライナでのマレーシア機撃墜といった大きな国際ニュースが相次ぎ、例によってアフリカ発のボコ・ハラムのニュースはメディアから消えていった。だが、当然ながら、ボコ・ハラムは今なお消滅してはいない。それどころか、拉致された200人以上の少女は、今も救出されていない。

 7月27日、ナイジェリアの東隣のカメルーン北部に滞在していた同国のアリ副首相の一行がボコ・ハラムに襲撃され、副首相の妻が拉致されてしまった。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチの調査によると、今年1月から6月までの半年間にボコ・ハラムに殺害された人の数は、少なくとも2053人に上る。世界最高水準の軍事作戦能力を有する米国がナイジェリア政府に支援を申し出ながら、なぜボコ・ハラムは壊滅せず、3カ月以上も前に拉致された少女らは一向に救出されないのだろうか。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
白戸圭一
白戸圭一 三井物産戦略研究所国際情報部 中東・アフリカ室主席研究員。京都大学大学院客員准教授。1970年埼玉県生れ。95年立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了。同年毎日新聞社入社。鹿児島支局、福岡総局、外信部を経て、2004年から08年までヨハネスブルク特派員。ワシントン特派員を最後に2014年3月末で退社。著書に『ルポ 資源大陸アフリカ』(東洋経済新報社、日本ジャーナリスト会議賞)、共著に『新生南アフリカと日本』『南アフリカと民主化』(ともに勁草書房)など。
comment:2
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
価値あるバックナンバー
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順