病気を治すのは「いのちの力」
病気を治すのは「いのちの力」(3)

狭心症とカテーテル治療の真実

執筆者:髙本眞一 2014年12月13日
カテゴリ: 経済政策・社会保障
エリア: 日本

 セカンドオピニオンという言葉が、人々の日常生活の中で聞かれるようになって久しくなりました。三井記念病院でもセカンドオピニオンを受け付けますと掲げていますし、私自身もセカンドオピニオンを求められた経験があります。ほかの病院でも、受け付けている病院を多数見受けます。

 しかし、実際には、セカンドオピニオンを聞きに来る方は、あまりいらっしゃいません。あくまで体感値ですが、ほかの医療機関でも同様ではないでしょうか。

 理由は、インフォームド・コンセントが比較的行われているからか、もしくは主治医との関係からほかの医師に意見を聞くのを躊躇するからかと推測します。

 かつて病院の外来の診察状況が「3分間診療」と揶揄されていました。日本ではフリーアクセス(紹介状なしに誰でも好きな病院を受診できる)が可能で、外来に何千人という患者さんが集まる大病院では、今も同様の状況だと思いますが、手術などでは、「これでもか」と言うほど丁寧な説明が当たり前になっています。また、もう1つ、最初に受け持ってもらった主治医への気兼ねから別の医師にセカンドオピニオンを聞きにくいということがあるかもしれません。

 インフォームド・コンセントという言葉が、アメリカから入ってきたため、アメリカではさぞやきちんとした説明がなされると思いきや、そんなことはありません。訴訟の国・アメリカでは、病院は、医療ミスなどで訴えられないように膨大な説明書を用意して患者や患者家族に渡し、説明は簡潔に、あとは説明書をよく読んで、サインをしてくれという態度です。

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執筆者プロフィール
髙本眞一 1947年兵庫県宝塚市生れ、愛媛県松山市育ち。73年東京大学医学部医学科卒業。78年ハーバード大学医学部、マサチューセッツ総合病院外科研究員、80年埼玉医科大学第1外科講師、87年昭和病院心臓血管外科主任医長、93年国立循環器病センター第2病棟部長、97年東京大学医学部胸部外科教授、98年東京大学大学院医学系研究科心臓外科・呼吸器外科教授、2000年東京大学医学部教務委員長兼任(~2005年)、2009年より三井記念病院院長、東京大学名誉教授に就任し現在に至る。この間、日本胸部外科学会、日本心臓病学会、アジア心臓血管胸部外科学会各会長。アメリカ胸部外科医会(STS)理事、日本心臓血管外科学会理事長、東京都公安委員を歴任。 ↵手術中に超低温下で体部を灌流した酸素飽和度の高い静脈血を脳へ逆行性に自然循環させることで脳の虚血を防ぐ「髙本式逆行性脳灌流法」を開発、弓部大動脈瘤の手術の成功率を飛躍的に向上させたトップクラスの心臓血管外科医。
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