伊藤忠「中国1兆円出資」を「歴史的」に読む

樋泉克夫

 1月20日の日本経済新聞(朝刊)は1面トップで、「中国国有大手に1兆円 伊藤忠・タイ財閥出資 複合企業CITIC 食糧や資源、幅広く連携」との見出しを掲げ、伊藤忠商事がタイ最大財閥の『CP(=正大)集団』と提携し、中国政府直属の投資会社である中国中信集団(CITIC)傘下企業に1兆円強を折半出資する方向で最終調整に入ったことを報じた。また外報面では、(1)昨年11月の北京における安倍・習近平会談にみられる日中関係改善への動き、(2)企業改革を急ぐ習指導部の意向、(3)習近平指導部に太いパイプを持つCP集団総帥のタニン・チャウラワノン(謝国民)による習近平主席や李克強首相への強い働きかけ――などが背景にあったと報じている。

 同じ20日、産経新聞は「上海株7.7%大幅下落 6年半ぶり 投機取引に規制強化」と、日経新聞は昨年の中国の対外投資が前年比で14%の伸びを見せたと伝えた。

 さらに日経新聞の同日夕刊では、1面トップで「中国、7.4%成長に減速 昨年、24年ぶりの低水準 不動産市場が低迷」との見出しを掲げ、不動産市場の低迷から投資や生産が伸び悩み、世界第2位の中国経済の減速が世界経済の不安要因になると報じている。

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執筆者プロフィール
樋泉克夫
樋泉克夫 愛知大学教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年より現職。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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