大統領選“本命不在”の共和党で急浮上した俳優トンプソン

執筆者:梅本逸郎 2007年7月号
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

[ワシントン発]スタートから一気にヒートアップしている二〇〇八年米大統領選で、共和党から保守本流を自任する候補が登場した。六月一日に選挙戦準備委員会を設置、資金集めを開始した元上院議員、俳優のフレッド・トンプソン氏(六四)だ。世論調査の支持率も上昇しており、正式の出馬表明も近いとみられる。 バラク・オバマ、ヒラリー・クリントンの両上院議員が注目を集める民主党に比べ、共和党側の盛り上がりは今ひとつ。トンプソン氏は、やや自信喪失気味の共和党陣営で、草の根保守の価値観を訴え、あえて堂々の中央突破を狙う。 大多数の国民にとっては、人気ドラマ「ロー&オーダー」に登場する「ニューヨーク地区検事、アーサー・ブランチ」と言った方が通りがいい。俳優出身ということで、共和党のレーガン元大統領を思い出す向きも多いだろうが、こちらのキャリアではトンプソン氏が一枚上だ。一九八五年にテネシー州知事らの汚職事件追及の実話を描いた「目撃者マリー」で、弁護士として登場する自分自身を演じて以来、九〇年の「レッド・オクトーバーを追え!」の空母艦長など、出演映画は二十を超える。 九四年にテネシー州の補選で上院議員に当選して、いったん俳優業から遠ざかったものの、二〇〇二年には「ワシントンと違って偽りのないハリウッドの世界」に専念するため出馬を見送っている。以後は「ロー&オーダー」出演が「本業」だが、首都ワシントン郊外に居を構え、ロビイスト活動のほか、共和党系のアメリカン・エンタープライズ公共政策研究所(AEI)客員研究員として、言論活動も続けている。

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