帝国ホテルを飲み込んだ〈帝国〉の原理

執筆者:喜文康隆 2007年11月号
カテゴリ: 経済・ビジネス

「もはや主権と資本は、それらの闘争を自らの伝統的支配の領土的空間の内部に封じこめておくことができなくなっています……〈帝国〉は、このような観点に立って見れば、資本主義の『前方への逃走』なのです」(『アントニオ・ネグリ講演集・上〈帝国〉とその彼方』)     * 福田康夫と麻生太郎による自民党総裁選が大詰めを迎えていた九月二十一日。日本経済新聞は、三つの企業再編ニュースを同時に掲載した。「シャープ、パイオニアの筆頭株主に」「三井不動産、帝国ホテルを傘下へ」「ビックカメラ、ベスト電器の筆頭株主に」 これらの再編の同時発生は、我々に何を語りかけているのだろうか。『ニューズウィーク日本版』十月十日号の「グローバル最強企業ランキング」二〇〇七年版は、この問いに対する一つの答えのように思われる。 営業利益ベースで最も稼いだ企業は、第一位がエクソンモービル(米)、第二位がゼネラル・エレクトリック(米)、第三位がロイヤル・ダッチ・シェル(オランダ)である。そして上位二十社を国別に分類すると、アメリカが九社、ロシア、フランスが二社、日本、オランダ、イギリス、中国、イタリア、ブラジル、ノルウェーが一社ずつとなっている。国内総生産(GDP)では世界第二位の日本は、トヨタ自動車が十二位に入っているのみだ。

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