「無酸素銅」の量産化がハイテク製品を支える――ものづくりの生命線「非鉄金属」を追う 3

執筆者:船木春仁 2007年11月号
カテゴリ: 経済・ビジネス

 日鉱製錬佐賀関製錬所での製錬工程について報告した先月号の記事中で、「荷揚げされた鉱石の水分量(含有率)を五%にまで乾かしてから製錬炉に入れる」と書いた。しかし、これはわたしの聞き間違いで、正しくは「〇・五%」だった。 水分が多い鉱石を高熱の炉の中に入れると、鉱石内部の水分が急膨張して鉱石を破裂させてしまい、きれいに燃えてくれない。鉱山から運ばれてくる微粉状の鉱石の水分量は一〇%。通常、わたしたちが買うお米は一五%程度であることと比べても鉱石は十分に乾燥している。それをさらに乾燥させることで、製錬炉への噴霧注入や燃料、溶解をコントロールすることに驚きを感じたのだが、実態はもう一桁精度の高いものであったのだ。 これに関連して、九月末に開かれた石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)のセミナーで、偶然JOGMEC特別顧問の川瀬啓造から興味深い話を聞くことができた。鉱石を乾燥させて船積みするのは、輸送中に船が転覆するのを防ぐためであるという。鉱石の水分量が多いと、輸送中の揺れで船倉内で液状化現象が起き、船の重心が高くなって転覆してしまう。 輸送と、製錬炉に入れるための水分量調節には直接の関係はない。だが、各工程でそこまで繊細に管理されて銅が得られていることに、改めて驚きを禁じ得なかった。読者と日鉱製錬の関係者にお詫びと訂正をしておきたい。

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