自由選択制度を進めて保育サービスも「官」から「民」へ

執筆者:渥美由喜 2008年6月号
カテゴリ: 経済政策・社会保障
エリア: 日本

「保育に欠ける」という言葉をきいて、すぐにその意味と由来がわかる人は、かなりの「保育通」といえよう。たいていの人は、首をかしげるに違いない。 一九四七年にできた児童福祉法には「保育に欠ける」家族に保育を提供するのが自治体の役割だと書いてある。保育に欠ける家族とは、終戦後間もない当時、子どもを残したまま父親が戦死した家族を意味した。「欠ける」という言葉の痛ましさには、当時の社会的な背景がある。 その後、六十年が経ち、時代は大きく変貌した。にもかかわらず、依然として児童福祉法施行令の文言は変わっていない。相変わらず、行政が「保育に欠ける」家族を認定し、提供するという仕組みのままだ。「保育に欠ける」具体的な状況とは、(1)昼間、働くことを常態としている(2)妊娠中、または出産後間もない(3)疾病、負傷、または精神的・身体に障害がある(4)同居の親族を常時介護している(5)震災・風水害・火災その他の災害の復旧に当たっている(6)(1)―(5)に類する状態 のいずれかに該当し、かつ同居の親族などがその子どもの保育ができない場合とされる。典型的なケースは「共働き家庭」だ。共働き家庭に生まれた子どもは「保育に欠ける」可哀そうな(?)子どもなのだ。

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