オセロのようにひっくり返った「世界経済の常識」

執筆者:小田博利 2009年4月号
エリア: ヨーロッパ 日本

十三年ぶりの経常赤字に、ゼロ%寸前の貯蓄率。日本に起きたこんな「反常識」が世界でも起きつつある。その先には既存の経済運営への「究極の不信任投票」が――。 俳優ダニエル・クレイグがボンド役を演じる第二作「慰めの報酬(Quantum of Solace)」は、いかにも007シリーズらしい。アストンマーティンとアルファロメオとの壮絶なカーチェースで幕が開くドラマツルギー(作劇法)もさることながら、直近のグローバル経済との絡みでも十分に楽しませてくれる。 ひとつはグリーン・ニューディールならぬ、グリーン・プラネットなる怪しげな環境NPO(非営利団体)の暗躍。ある資源の利権を得ようと、中南米の元独裁者に取引を持ちかけるのだが、ここは本筋だ。その資源の名前は記すまい。環境問題の裏の世界と思えば良いだろう。 もうひとつは利権の受け渡しのシーンだ。舞台が中南米なのに、ドルではなくアタッシェケースに詰めたユーロ札が使われる。「近頃はドルの価値もめっきり下がってしまったからね」。こんな台詞が出てきて、苦笑させられた。英国の海外諜報機関MI6のスパイが主役の007では、ポンド札やドル札はお馴染だが、ユーロ札が主役を張ったのは初めてではないか。

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