人民元の国際化を目指す中国の目論見

執筆者:西崎仁 2009年7月号
エリア: 中国・台湾

「世界の工場」として発展を遂げた中国が、今度は人民元の基軸通貨構想に動き出した。中国の狙いは果たして――。[北京発]金融危機が深刻化し、世界経済が混乱を極める中、中国の通貨・人民元の国際化に向けた動きが加速している。中国は何を狙い、どこを目指して進んでいるのだろうか。     * 中国人民銀行(中央銀行)は昨年十二月十二日、韓国中央銀行との間で千八百億元(約二兆六千億円)の自国通貨と引き換えに外貨を融通し合うスワップ協定を締結。その後、今年三月末までの間に香港、マレーシア、ベラルーシ、インドネシア、アルゼンチンとの間で、スワップ協定を次々とまとめ上げた。これらの協定によって海外に流出する可能性のある人民元は総額六千五百億元(約九兆三千億円)に達する。 通貨のスワップ協定と言えば、一時的な外貨不足に対応するため、中央銀行同士が短期的に資金を融通し合うことを想定した協定だが、中国の協定はこれとは性格を異にしている。中国人民銀行は、協定の目的について「地域の相互流動性支援を促進する」と説明している。つまり、人民元を相手国に保有させることで、対中貿易・投資を促進する役割を期待しているということだ。

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