インテリジェンス・ナウ
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ミャンマーと北朝鮮 浮上した核技術協力疑惑

春名幹男
執筆者:春名幹男 2009年9月号
カテゴリ: 国際

 ミサイル部品などを積んでミャンマーに向けて航行か、と伝えられた北朝鮮貨物船カンナム1は、約三週間鈍行で迷走した末、南浦に帰港していた。 東シナ海で引き返し始めたのは、六月末のこと。目的地とみられたミャンマーで国連安保理決議に基づく貨物検査を受けるのを避け、航海の続行を断念した、との見方もされていた。 だが、オバマ米政権には当初から強硬策などなかった。横須賀から米海軍イージス駆逐艦ジョン・S・マケインなど二隻を派遣、追跡したが、北朝鮮と対決する意図はなかったのだ。 オバマ政権内には「北朝鮮の罠か」との疑いもあった。米ニューヨーク・タイムズ紙によると、北朝鮮は安保理の制裁決議と相前後して同号を出港させて、米国の貨物検査を受け、結局大量破壊兵器関連物資など何も発見されなかった――というシナリオで罠に嵌めようとしたのではないか、とも米国は疑った。米政府は、同号の積み荷の中身について確実な情報を得ていなかったのである。 しかしその後、全く新しい疑惑が浮上した。北朝鮮がミャンマーに対して核技術協力を行なっているという情報だ。 東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)出席の際、クリントン米国務長官が「北朝鮮とミャンマーの軍事協力への強い懸念」を表明した。その程度なら大ニュースではないが、長官に同行した米政府高官が匿名で記者団に「核協力」情報を漏らしたのだった。

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執筆者プロフィール
春名幹男
春名幹男 1946年京都市生れ。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒業。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授を経て、現在、早稲田大学客員教授。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『スパイはなんでも知っている』(新潮社)などがある。
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