建国六十年の中国が「ウイグルの緊張」に震える

執筆者:藤田洋毅 2009年10月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中国・台湾

深夜のウルムチ市内を、不気味な大型車両が走り回った。七月から続く騒乱の内実は、当局発表よりはるかに深刻だ――。「単なる暴動なんかじゃない。『兵変(クーデター)未遂だった』という表現が最も適切だろうし、『政変(政権奪取)を企図していた』と言っても過言ではない。やつらは、武装蜂起して一気に東トルキスタン共和国を建国しようとしたのだ」 中国共産党中央の中堅幹部(漢族)は言い切った。去る七月五日、新疆ウイグル自治区の区都ウルムチを舞台に、少数民族による建国後最大の騒乱事件が発生。反発した漢族は、翌々日の七日、自治区当局の制止の呼びかけを無視して大規模抗議デモを繰り広げた。当局は「基本的に情勢をコントロールしている」と強弁し続けるものの、九月三、四日にも「注射針通り魔事件を防げない自治区当局に抗議し、トップの王楽泉書記(党政治局員)の更迭を求める」漢族が大規模デモを繰り返し、情勢はいっそう不安定化している。この幹部は昨年の五輪前夜、「東突(東トルキスタン独立勢力)との闘争は、五年や十年では終わらないかもしれない」と語っていたが、今や「五十年、もしかしたら百年……。永久闘争を覚悟しなければならない」と、苦渋の声を振り絞る。

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