労組への配慮で公務員制度改革「封印」の危機

執筆者:白石均 2010年1月号
カテゴリ: 政治
エリア: 日本

“公務員天国”維持へ向け、霞が関と官公労は完全な共闘関係。仕分け事業で勢いの出てきた仙谷行政刷新相は風穴を開けられるか。 普天間移設や献金問題を巡り、鳩山内閣は早くも迷走状態に入った。二次補正の金額で国民新党に翻弄され、二〇一〇年度予算編成も混乱が続く。それでも内閣支持率が急降下しないのは、大好評の事業仕分けで下支えされたからだ。功労者の仙谷由人行政刷新担当大臣は、すっかり気をよくしたか、今度は「事務次官ポストの廃止」を唱え始めた。 これは実は、十一月四日の衆議院予算委員会で、渡辺喜美・みんなの党代表が提案した内容だ。鳩山内閣は発足後、事務次官会議も次官定例会見も廃止、政策決定は政務三役が政治主導で行なうこととした。事務次官の仕事は事実上消滅したわけだから、いわば必然的な措置とも考えられる。 ところが、仙谷氏の突然の方針表明に対し、閣内からは異論が続出した。「(事務次官は)事務取扱責任者として必要」(平野博文官房長官)、「組織がある以上、トップがいた方が便利」(亀井静香郵政改革担当大臣)などだ。鳩山由紀夫総理も「どちらに軍配を上げるか言うつもりはない」と様子見を決め込んでしまった。 言うまでもないが、民間企業なら「トップ」は社長であって、「事務方トップ」などという変てこなポストはない。「事務方トップが必要」という閣僚らは、政治主導の政策決定が実行できていないと自白しているようなものだろう。

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