中間選挙大敗前に動いたオバマのホワイトハウス人事

執筆者:渡部恒雄 2010年11月4日
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

 予想通り中間選挙では民主党が歴史的な大敗を喫した。10月4日の足立氏の報告にあるように、ホワイトハウスの人事は中間選挙を前にして大きく変った。首席補佐官のラーム・エマニュエルがシカゴ市長選挙への意欲を示し、後任にオバマ大統領の上院議員時代の首席補佐官のピート・ローズが就任した。彼が短期のリリーフなのか、残り2年の任期も継続するのかは、まだ明らかにはなっていない。そして、外交安全保障については、国家安全保障担当補佐官のジェイムズ・ジョーンズが、次席補佐官のトーマス・ドニロンに交代することになった。実はこの人事は、オバマ政権のアキレス腱であるアフガニスタン戦争と関わる人事なので、詳しく見ておきたい。

 本来ならアフガニスタン政策のリビューは、今年12月に行なわれるはずなので、このタイミングでの国家安全保障担当補佐官の変更はかなり不規則だ。真偽は定かではないが、米国で話題になっているボブ・ウッドワードの『オバマの戦争』が出版され、ジョーンズが重要な決定において、必ずしも大統領に重用されていなかったという内容が明らかになったため、人事が早まったといわれている。ドニロンは、クリントン政権のウォーレン・クリストファー国務長官の首席補佐官やバイデン副大統領のスタッフを歴任したワシントンインサイダーで、現実的な対処が期待されている。オバマ大統領との関係も前任のジョーンズ補佐官よりは近いといわれている。また、クリストファー国務長官やバイデン副大統領の上院外交委員会時代の経験から、元NATO司令官で欧州に強いジョーンズ前補佐官よりも、北朝鮮や中国などのアジア畑に強いのは間違いないだろう。

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執筆者プロフィール
渡部恒雄 わたなべ・つねお 東京財団上席研究員。1963年生れ。東北大学歯学部卒業後、歯科医師を経て米ニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチで政治学修士号を取得。1996年より米戦略国際問題研究所(CSIS)客員研究員、2003年3月より同上級研究員として、日本の政党政治、外交政策、日米関係などの研究に携わる。05年に帰国し、三井物産戦略研究所を経て現職。著書に『「今のアメリカ」がわかる本』など。
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