そごう処理で問われる民事再生法の真価

執筆者:矢吹信 2000年8月号
エリア: 日本

「予納金はいくら払えばいいんだ」。「そんなに巨額の負債を抱えた企業が申請した前例がないから、手数料の一万円だけでいいそうだ」。 七月十二日、大手百貨店そごうは東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請した。負債総額はグループ合わせて約一兆八千七百億円。ノンバンクを除けば過去最大の負債を抱えた「倒産劇」となった。 そごうは当初、裁判所が関与しない私的な方法で債務整理と事業再建を予定していたが、今年二月期末にはグループの債務超過額が五千八百億円に達していたことが判明。取引先の銀行約百五十行のうち、七十三行に対して総額約六千三百億円もの債権放棄(借金棒引き)を要請した。日本興行銀行を始めとした主力行はこの要請に応じることで合意したものの、新生銀行(旧日本長期信用銀行)の債権カット分約九百七十億円を巡って政治問題が表面化、私的な整理から一転、裁判所の手続きを経た法的処理に切り替わった。 再生法は今年四月に施行されたばかり。個人や中小企業の債務整理や事業の再建を主なターゲットにした従来の「和議法」に代わる法律で、本来はそごうのような大企業の破綻処理を想定したものではない。施行時に東京地裁が作成した予納金などの手続き費用一覧をみてもそのことはうかがえる。

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