在ユーゴ中国大使館「誤爆」の驚くべき“真相”

執筆者:藤田洋毅 2000年9月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中国・台湾 北米

「わが国の某所に持ち込み、徹底的に分析しています」――信頼すべき中国筋がこう明かす。昨年三月、ユーゴスラビア軍に撃墜された米のステルス戦闘機F-117のエンジン部分は現在、中国にあるというのだ。そして、同年五月に起きた米軍による在ユーゴ中国大使館「誤爆」は、軍事機密の塊であるこのエンジン部分を、「絶対に中国に引き渡してはならない。粉砕しなければならないとするペンタゴンの企みだった」と断言するのである。 確かに、NATO空爆に際し各国の外交団や民間人が続々とユーゴから退去する中、ただ中国のみが人員を増派したことは、当時、欧州外交筋で話題になった。中国は新たなる戦争の形態を見せつけた湾岸戦争で情報収集に出遅れた反省を基に、空爆直前に総参謀部二部を中心とする軍の情報関係者や国防科学技術工業委員会の分析官らをユーゴに送り込んだのだ。同時にユーゴ政府に「十分に根回しし」、政治・外交的な支援と引き換えに、ユーゴが獲得した軍事技術の提供を求めていたという。 そこにステルス機撃墜の報が舞い込んできた。ユーゴ側の説明と中国側の分析を総合すれば、撃墜の真相は以下の通りになる。 レーダー反射面積を極小化し、レーダー波を吸収する特殊な塗料をまとったステルス機といえど、ミサイルを発射したり爆弾を投下する時には胴体の爆弾倉を開く。だがその爆弾倉内部には、ステルス塗装などを施していない。ユーゴ軍は「レーダー波を上方に照射。爆弾倉が開く瞬間を捕らえ、いっせいに対空砲火を浴びせたようだ」という。

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