中国と南北朝鮮を結びつける在中国朝鮮族

執筆者:浅井信雄 2001年6月号
カテゴリ: 国際 文化・歴史
エリア: 朝鮮半島

 昨年、朝鮮戦争勃発五十周年の西暦二〇〇〇年にタイミングを合わせるかのように、歴史的な南北朝鮮首脳会談が開かれた。かつて、中国は戦争勃発の前年の一九四九年から中国軍指揮下の朝鮮族兵士約五万人を北朝鮮に送り込み、また昨年の南北首脳会談に先立って上海などで南北代表が準備会談を重ねる便宜をはかった。ここから中国と朝鮮半島の特殊関係が浮かび上がる。中国は朝鮮半島と陸で接し、自国内に独自の朝鮮族社会を抱え、南北両朝鮮と国交を持つ。中国内の朝鮮族社会が、半島情勢の変化に伴って変動してきたのは当然である。 中国の東北部から南東に突き出たのが朝鮮半島であり、古くから人と文物が往来してきた。朝鮮半島の外に居住する朝鮮族の数は在中国が最も多い。中国の国勢調査(一九九〇年)によれば百九十二万人で、総人口の〇・一七%。中国の五十六民族のうち漢族が九二%と支配的だが、残る五十五少数民族の中では朝鮮族は十三番目だ。 この調査実施の九〇年から今日までの十年間に中国の総人口は一億人以上増えたが、その間の朝鮮族人口の動態ははっきりしない。経済苦による北朝鮮難民や中国経済の飛躍を見込んだ韓国起業家の流入もあったが、逆に浮沈は激しくともダイナミックな韓国経済にひかれて在中国朝鮮族が合法、非合法的に韓国へ流出した可能性もある。

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