東南アジア・シーレーン マラッカ海峡「二つの恐怖」――海賊と洋上自爆テロ

執筆者:竹田いさみ 2001年11月号
エリア: アジア

 タイのプーケット島――アンダマン海に浮かぶ国際的リゾート地として知られ、日本からの観光客も多い。東京、香港などから直行便が飛び、例年であれば十一月から三月のシーズンは観光客で賑わう。自由が売り物のプーケット島には、あらゆる人々が集う。観光客、ビジネスマン、そしてゲリラやテロリストも例外ではない。 プーケット島は、国際的リゾートとしての華やかな顔と同時に、反政府ゲリラや海賊の実行犯が接触する秘密基地としての顔をもつ。国際犯罪組織に対しても開かれた島なのだ。アンダマン海に没する太陽に多くの観光客が魅了されている時、観光客があまり足を運ばない島の裏側や、内陸のプーケット・タウンで、スリランカからやって来たタミル人が目撃されたことがある。

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執筆者プロフィール
竹田いさみ(たけだいさみ) 獨協大学外国語学部教授。1952年生れ。上智大学大学院国際関係論専攻修了。シドニー大学・ロンドン大学留学。Ph.D.(国際政治史)取得。著書に『移民・難民・援助の政治学』(勁草書房、アジア・太平洋賞受賞)、『物語 オーストラリアの歴史』(中公新書)、『国際テロネットワーク』(講談社現代新書)、『世界史をつくった海賊』(ちくま新書)、『世界を動かす海賊』(ちくま新書)など。
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