チェチェンのテロを永続させる「積年の過酷な支配」

執筆者:浅井信雄 2002年2月号
カテゴリ: 国際 文化・歴史
エリア: ロシア

 九・一一同時多発テロ事件に対してロシアは、まず国益優先からチェチェン民族紛争をにらんで反応した。プーチン・ロシア大統領がチェチェン武装勢力に対して「アフガニスタンのタリバン勢力との絶縁」を呼びかけると、ブッシュ米大統領もチェチェンとタリバンの断絶を迫ったのだ。 それまでは「チェチェン少数民族へのロシアの過剰弾圧」を批判し、二〇〇一年四月の国連人権委員会の同趣旨の決議にも賛成した米国が、急にロシアのチェチェン政策容認へ百八十度転換したといえる。 ロシアはまたグルジア共和国内のチェチェン・ゲリラ基地の閉鎖も要求したが、その際、「国際テロリズムの基地」「文明のための戦い」などと米国製用語を使った。九・一一事件を契機に米ロ関係が改善に向かった陰で、独立志向の少数民族に逆風が吹き始める。

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