「和の精神」をベンチャーに

執筆者:梅田望夫 2003年7月号
カテゴリ: IT・メディア

 迷惑メール対策サービスで注目を集めるシリコンバレーのベンチャー、ポスティーニ(http://www.postini.com)。この会社で、差し迫って解決しなければならない難題や、複雑な社内調整を必要とする組織的課題は、皆、小村尚子のところにまわってくる。我の強い専門家ばかりが揃うから、有望ベンチャーもふたを開けてみれば、社内は混沌としたカオスの世界。そんな会社のプロジェクト管理いっさいを取り仕切っているのが彼女なのだ。「約束したことは必ず守る責任感とか、人に対する思いやりや礼儀、相手の立場になってモノを考える習慣というのは、日本人に生まれたからこそ自然に身についた特質だと思います。少し大げさに言うと、シリコンバレーのベンチャーに和の精神を持ち込むことになっているのかもしれません」 尚子は今の仕事についてこう語るが、彼女のもともとの夢は、国連や世銀といった国際機関で働くことだった。高校卒業後、デザイナーを志望したが挫折。その後、貿易会社に勤めながら大阪外国語大学夜間部に通っている頃に開発経済学を学び、世界全体の共生に関わる仕事がしたくなった。卒業後、仕事をやめ神戸大学大学院に進んで勉強を続け、一九九四年、スタンフォード大学国際開発政策学部大学院に合格し「発展途上国の開発経済政策」を専攻した。

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執筆者プロフィール
梅田望夫 1960年東京都生れ。94年渡米、97年コンサルティング会社ミューズ・アソシエイツを起業。著書に『ウェブ進化論』(ちくま新書)、『ウェブ時代をゆく』(同)、『ウェブ時代 5つの定理』(文藝春秋)、『ウェブ人間論』(共著、新潮新書)など。メジャーリーグの野球、そして将棋の熱烈なファン。
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