米共和党のロムニー候補は、自らの外交経験不足への批判を意識し、ロンドンオリンピックに合わせて、外交能力をアピールする外遊に出た。ロンドンから、ポーランド、イスラエルを訪問したが、やはり米国人の関心はイスラエル訪問である。イスラエルのネタニヤフ首相が核開発を継続するイランへの単独軍事行動の可能性を示唆しており、オバマ政権はイスラエルの単独行動を牽制している。また、ネタニヤフ首相はオバマ大統領を嫌っているといわれており、オバマ陣営としては今回のロムニーのイスラエル訪問が気になったはずだ。
実はロムニー候補は、1970年代にボストンコンサルティンググループでネタニヤフ首相と一緒に仕事をしたことがある旧知の仲である。うがった見方をすれば、大統領選挙直前にイスラエルが単独軍事行動に出れば、「オクトーバーサプライズ」といわれる大統領選挙の流れを変える事件にもなりかねない。この2人の関係の近さも、オバマ側にとっては気になるポイントだっただろう。
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