「党内左派固め」を重視する「クリントン戦略」

足立正彦
執筆者:足立正彦 2015年7月30日
エリア: 北米

 ヒラリー・クリントン前国務長官が、2008年に続いてホワイトハウスを目指す2度目の挑戦を今年4月12日にビデオメッセージなどを通じて明らかにしてから、3カ月半余りが経過しようとしている。2016年大統領選挙の民主党候補指名獲得争いには、クリントン氏の他にバーニー・サンダース上院議員(無所属、バーモント州選出)、マーチン・オマリー前メリーランド州知事、ジム・ウェブ元上院議員(ヴァージニア州選出)、リンカーン・チェイフィー前ロードアイランド州知事の4人も出馬を表明している。だが、クリントン氏は知名度、豊富な政治資金力の点で他候補を圧倒しており、民主党の最有力候補として揺るぎない立場にある。

 オバマ大統領の2期8年の任期が残り1年半足らずとなる中、民主党は8年ぶりに新たな大統領候補を選ぶことになる。米国の2大政党の大統領候補選出プロセスは4年に1度、あるいは現職大統領が再選された場合には8年に1度のイベントとなるため、まるで党内の「ガス抜き」のように、立場の異なる有力政治家が大統領候補の指名獲得を目指すことになる。従って、大統領夫人や上院議員、国務長官という輝かしい経歴を持つクリントン氏であっても、党内の候補指名獲得争いでひと波乱、ふた波乱もある状況に直面する可能性がある。だが、クリントン氏自身に今後重大なスキャンダルが発覚したり、あるいは深刻な健康問題が浮上したりしない限りは、候補指名獲得に向けて着実に歩むことになるだろう。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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