インドネシア「イスラム教急進化」の実相(上)「大苦戦」したジャカルタ州知事

川村晃一
執筆者:川村晃一 2017年3月16日
カテゴリ: 国際 政治 社会
昨年11月、アホック知事の「逮捕」を求めてジャカルタで行われた数万人規模のデモ(C)時事

 

 インドネシアでは2月15日に地方統一首長選が実施された。2005年に導入された地方首長(州知事、県知事、市長)に対する住民の直接選挙は、これまで自治体ごとに任期満了の時期にあわせて個別に実施されてきたが、将来的には同日に選挙を行うため、順次選挙日程を統一させている。2015年に次いで2回目となる2017年の統一地方首長選は、101自治体(7州、76県、18市)が対象となった。

 なかでも注目されたのは、首都ジャカルタの州知事選挙である。前回2012年の州知事選では、中ジャワ州ソロ市の改革派市長だったジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)が決選投票の末、現職を破って州知事に就任し、その勢いに乗って2014年の国政選挙で大統領にまでのぼりつめた。この出来事によって、ジャカルタ州知事選は、大統領選に大きな影響を与える非常に重要な選挙として、政界でも重視されるようになったのである。

 さらに、昨年10月に選挙戦が始まると、イスラーム保守派が宗教を利用した大規模な大衆動員を行って特定の個人を攻撃するなど、社会の分裂を煽るような動きが全面的に展開された。

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執筆者プロフィール
川村晃一 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所 地域研究センター副主任研究員。1970年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒、ジョージ・ワシントン大学大学院国際関係学研究科修了。1996年アジア経済研究所入所。2002年から04年までインドネシア国立ガジャマダ大学アジア太平洋研究センター客員研究員。主な著作に、『2009年インドネシアの選挙-ユドヨノ再選の背景と第2期政権の展望』(アジア経済研究所、共編著)、『インドネシア総選挙と新政権-メガワティからユドヨノへ』(明石書店、共編著)、『東南アジアの比較政治学』(アジア経済研究所、共著)、『新興民主主義大国インドネシア-ユドヨノ政権の10年とジョコウィ大統領の誕生』(アジア経済研究所、編著)などがある。
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