「難民」で右派が大躍進した「オーストリア総選挙」

執筆者:花田吉隆 2017年10月20日
タグ: ドイツ
エリア: ヨーロッパ
31歳で世界最年少の首相となるか、国民党のクルツ党首 (C)EPA=時事

 

 9月24日、ドイツ総選挙で極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が12.6%、94議席を獲得し人々を驚かせたが、その興奮も冷めやらぬ中の10月15日、今度はオーストリア総選挙で、「オーストリア国民党」が31.6%(15日時点、以下同)を得て第1党に躍進。26.0%の極右政党「オーストリア自由党」との連立が可能性を帯びるに至り、再びヨーロッパに衝撃が走った。

 自由党は2000年、国民党のヴォルフガング・シュッセル首相(当時)主導の政権に参加してEUからさんざん批判を浴びた。それから17年、今やヨーロッパで極右政党の政権参加も珍しくなくなったが、こともあろうに伝統的な自由民主主義陣営の一角を占めるオーストリアで、またもや極右政党を交えた連立政権の誕生ともなれば、EUとして看過できる事態ではない。一体いかなる事情でこうなったのか。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
花田吉隆(はなだよしたか) 元防衛大学校教授。1977年東京大学法学部卒業。同年外務省入省。在スイス大使館公使、在フランクフルト総領事、在東ティモール特命全権大使、防衛大学校教授などを歴任。
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