「平昌五輪」前夜の「米韓」緊迫(下)北の「先南後米」攻勢で「通米」なるか

2月6日、平昌五輪開会式に出席の途次、日本に立ち寄ったペンス米副大統領(中央)(C)AFP=時事

 

 ビクター・チャ・ジョージタウン大学教授の駐韓米大使起用が白紙化したことで、現在、駐韓大使代理を務めているマーク・ナッパー氏を大使に格上げすることも候補の1つに上がっている。年齢が40代半ばと若いが、米国務省には数少ない日本語、韓国語、ベトナム語に堪能な、東アジアに精通した外交官だ。

日本・韓国に通じたナッパー大使代行

 父親が海兵隊員で、少年時代に沖縄で生活したことがある。プリンストン大学でケント・ガルダー教授の指導のもと日本政治を専攻し、東アジア学を副専攻した。さらに1991年から93年まで東京大学大学院に留学し、1993年に国務省に入省した。同年から95年までソウルの米大使館、97年まで東京の米大使館、2001年まで再びソウルの米大使館に勤務した。

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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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