史上初の「大統領・議会同日選」を迎えるインドネシア「政治の年」

執筆者:川村晃一 2018年2月16日
エリア: アジア
2014年大統領選挙と同じ対決になるか(右・ジョコウィ大統領、左・プラボウォ氏)(C)AFP=時事

 

 インドネシアの2018年は「政治の年」だと言われている。次の国政選挙(大統領選挙と議会選挙)が行われるのは2019年4月なので、のんびり気質のインドネシア人にしては気が早いことと思われるかもしれない。しかし、実際に「政治の年」を実感させる動きがすでに見られている。今年から来年にかけて、政治も経済も2019年の選挙を意識しないわけにはいかないだろう。

前哨戦は「6月の地方首長選」

 今年が「政治の年」と言われるのは、2019年4月の投票日に向けて選挙に関連するスケジュールがすでに目白押しだからである。まず6月には、第1級自治体の州と第2級自治体の県・市あわせて171の地方自治体で首長選挙が一斉に実施される。この中には、西ジャワ、中ジャワ、東ジャワ、北スマトラなど有権者が1000万人を超える大票田の州や、南スラウェシ州など東部インドネシア9州での州知事選挙が含まれている。6月27日の投票日に向けた選挙戦も、2月15日から始まった。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
川村晃一(かわむらこういち) 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所 学術情報センター主査。1970年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒、ジョージ・ワシントン大学大学院国際関係学研究科修了。1996年アジア経済研究所入所。2002年から04年までインドネシア国立ガジャマダ大学アジア太平洋研究センター客員研究員。主な著作に、『2009年インドネシアの選挙-ユドヨノ再選の背景と第2期政権の展望』(アジア経済研究所、共編著)、『インドネシア総選挙と新政権-メガワティからユドヨノへ』(明石書店、共編著)、『東南アジアの比較政治学』(アジア経済研究所、共著)、『新興民主主義大国インドネシア-ユドヨノ政権の10年とジョコウィ大統領の誕生』(アジア経済研究所、編著)などがある。
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