3月4日、ドイツ社会民主党(SPD)の党員投票の結果が判明し、キリスト教民主社会同盟(CDU/CSU)との連立合意が承認された。66.02%の賛成は、1月の時点でSPDの連立入りを支持した56%より10ポイントも多い。しかしこの66%は、連立合意にもろ手を挙げて賛成したのではなく、昨年9月からの、既に5カ月以上にわたる政治混乱に疲れ、そろそろ終わりにしてくれ、と叫んだのである。
みんながホッと
関係者は一様にホッと胸をなでおろした。もしここで党員の承認が得られなかったら、事態は再び混迷の淵へ逆戻りだ。アンゲラ・メルケル首相は、少数政権か再選挙かの選択を迫られ、いずれにせよドイツは先が見通せない視界ゼロの世界に突入する。そんな事態を望む者は誰もいない。そういう空気をSPD党員の多数が代弁した。
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