サイバーウォー・クレムリン (13)

米中が鎬を削るドローン「スウォーム戦略」

執筆者:小泉悠 2018年4月16日
スウォームの運用場面(『YouTube』上に公開された「Air Force 2030 - Call to Action」より)

 

 世界の戦場で飛び回るようになったドローンをロシア軍も活用しつつあることは前回紹介した(2018年4月9日「実は遅れているロシアの『ドローン』戦略」)。だが、ロシアがドローンを活用するならば、ロシアの仮想敵もまたドローンを戦場に投入してくる可能性が高い。

 実際、シリアでは反体制派武装勢力による中国製ドローンからの小型爆弾の投下や、爆弾ごと目標に突っ込む「カミカゼ」攻撃が度々確認されている。2016年から2017年にかけてはイラクでも、モスル奪還を目指すクルド人部隊に対して「IS(イスラム国)」が同様の攻撃を行ったとの報道がある。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
小泉悠(こいずみゆう) 東京大学先端科学技術研究センター准教授 1982年千葉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了。民間企業勤務を経て、外務省専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所客員研究員として2009年~2011年ロシアに滞在。公益財団法人「未来工学研究所」で客員研究員を務めたのち、2019年3月から現職。専門はロシアの軍事・安全保障。主著に『軍事大国ロシア 新たな世界戦略と行動原理』(作品社)、『プーチンの国家戦略 岐路に立つ「強国」ロシア』(東京堂出版)、『「帝国」ロシアの地政学 「勢力圏」で読むユーラシア戦略』(同)。ロシア専門家としてメディア出演多数。
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