優良企業の証明「ESG情報開示」トップランナーこの取り組みに注目せよ

執筆者:小平龍四郎 2022年1月24日
グレタ・トゥーンベリ氏は移動に飛行機を使わないという。「飛び恥」という言葉も話題を集める ⓒAFP=時事
いまや脱炭素は負担ではなく好機、そして人権保護に無自覚ならば市場からの退場を求められる。サプライチェーンなど自社のすべての商行為が対象となる「スコープ3経済」で勝者となるには、あらゆる工夫と方策を網羅したESG情報開示がカギとなる。

 ESG(環境・社会・企業統治)投資の広がりとともに、企業は多様な情報を開示するようになった。改めてウエブサイトで調べると「えっ、そこまで?」と思うような情報が見つかる。

野村ホールディングス公式サイトより

 例えば、大手証券グループの野村ホールディングス。証券市場のリーダーを自任するだけに、「ESGデータ」もかなり充実している。サステナブル・ファイナンスの実績値や、地域別の男女の管理職比率、育児休業取得者、さらには男女別の育児休業後の復職率なども開示されている。主にESGのSの要素に関するものだ。

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執筆者プロフィール
小平龍四郎(こだいらりゅうしろう) 日本経済新聞社論説委員兼編集委員。1988年、早稲田大学第1文学部卒。同年、日本経済新聞社入社。証券部記者として「山一証券、自主廃業」や「村上ファンド、初の敵対的TOB」「カネボウ上場廃止」などを取材。欧州総局、論説委員、アジア総局編集委員、経済解説部編集委員などを経て現職。日経本紙コラム「一目均衡」を10年以上執筆している。著書に『グローバルコーポレートガバナンス』『アジア資本主義』『ESGはやわかり』(いずれも日本経済新聞出版社)がある。
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