コスタリカの動物園でワニの『処女懐胎』を初確認

2023年6月18日
タグ: 野生生物
エリア: 中南米
条件的単為生殖は絶滅しつつある種の間でより起こりやすいとする仮説も存在する[2019年7月16日、コスタリカ・タルコレス川](C)REUTERS/Juan Carlos Ulate
雌が単独で子をつくる「単為生殖」は魚類や鳥類で見られる現象だが、コスタリカの動物園で初めてワニの事例が確認された。この発見はワニの親戚である恐竜の繁殖能力の解明にも役立つかもしれない。

 

[メキシコシティ発(ロイター)] ワニが単独で妊娠する単為生殖の初事例が、コスタリカの動物園で確認された。この発見は、6月7日に学術誌「Biology Letters」で発表された。

 動物園で16年間、他のワニから隔離され飼育されていた雌のアメリカワニが、2018年に14個の卵を産んだ。飼育下の爬虫類にとって決して珍しいことではないが、驚くべきは3カ月間の孵卵期間の後、1つの卵から完全な形をしたワニの赤ちゃんが死産の状態で見つかったことだ。研究チームは、ワニの胎児の遺伝子構造を調査した。その結果、DNA 配列から、オスの遺伝子の寄与なしに生殖する「条件的単為生殖」と呼ばれる現象であることが分かった。 

 条件的単為生殖は「処女懐胎」とも呼ばれ、……

カテゴリ: 医療・サイエンス
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