ロシアのラブロフ外相が近年、北方領土問題で反日発言を繰り返しており、「外相がこれでは、動きようがない」(日本外務省幹部)といった恨み節が聞かれる。
確かに、ラブロフ外相は近年、「日本が第2次大戦の結果を認める以外に道はない」「4島へのロシアの主権は国際法で確認されている」などと強調。昨年11月のメドベージェフ大統領の国後島訪問についても、「これはロシアの領土だ。ロシア大統領がロシアの領土、地域を訪問したにすぎない」と開き直り、大統領の色丹島視察の可能性にも言及した。
今年10月には、ラジオインタビューで、ロシアが北方領土を自国領とする根拠として、「国連憲章107条(敵国条項)に単純明快に記されている」と述べた。外相は10年間国連大使を務めており、国連憲章には詳しいが、ほとんど死文化している敵国条項まで持ち出すのは異常だ。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン
