中東、インド、日米、日本メディアの「身も蓋もない話」

Foresight World Watcher's 4Tips

イスラエルに反発しつつイランを恐れる――湾岸諸国は複雑な舵取りを余儀なくされる[イラン・テヘラン中心部のヴァリアスル広場に掲げられた、ミサイルのイラストとともにアラビア語で「正直者の約束」、ペルシャ語で「イスラエルは蜘蛛の巣より弱い」と書かれた看板=2024年4月15日](C)AFP=時事

 今週もお疲れ様でした。海外のメディアでは、信頼に足るとされている媒体も明け透けで身も蓋もないような話をしばしば扱います。暴論と思えることもありますが、その立論の背後に高い論理性と付け焼刃でない考察があるようなら、たとえ結論に疑問符がついても受け手に何らかの果実を残してくれます。中東・湾岸地域のバランス・オブ・パワー、総選挙が始まったインド、日米関係、そして日本のメディアのタブーについて、遠慮や忖度を度外視した記事・論考をピックアップします。

 フォーサイト編集部が週末に熟読したい海外メディア記事4本、皆様もよろしければご一緒に。

Arab Countries Have Israel's Back — for Their Own Sak【Steven A. Cook/Foreign Policy/4月18日付】

「湾岸諸国には[イスラエルのベンヤミン・]ネタニヤフ首相を信頼する指導者はおらず、彼らはIDF[イスラエル国防軍]がガザで引き起こした事態に反発しているが、アラブ首長国連邦、バーレーン、サウジアラビア[中略]は、[イランの最高指導者]アヤトラ・アリ・ハメネイとイスラム革命防衛隊をよりいっそう嫌い、恐れている」
「イスラエルとの関係を正常化したアラブの指導者たちは、パレスチナの国家化よりイランの挑戦をかわすことに重きを置いている。この衝撃的な暴力の数カ月間、イスラエルに駐在するアラブ大使の何人かは不在だったにもかかわらず、イスラエルと折り合いをつけたアラブ諸国は、いずれも完全に関係を断ち切っていない」
「ガザで罪のない人々が暴力と流血にさらされた後でも、サウジアラビアがイスラエルとの関係を前進させようとしているという事実こそが、アラブの指導者たちの優先事項においてパレスチナ問題がどのような位置づけにあるのかを物語っている」

 米「フォーリン・ポリシー(FP)」誌サイトに4月18日付で掲載された「自らの利益のためイスラエルを支援するアラブ諸国」は、中東・湾岸地域のバランス・オブ・パワーの現実を冷徹に描いている。……

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カテゴリ: 政治
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