「クルド独立」を口にしたバルザーニー大統領

執筆者:池内恵 2014年6月24日
エリア: 中東

イラク北部3県でクルド人勢力の自治を行っているクルディスターン地域政府のマスウード・バルザーニー大統領が、6月23日、ついに「独立」の一言を口にした。

米CNNのクリスチャン・アマンプールによるインタビューに答えての発言で、観測気球の側面もあるだろうが、世界に向けて大々的に発言したことの意味は大きい。

「イラクは明らかに崩壊しようとしている」

「連邦政府・中央政府は何もかもコントロールを失っている。軍も治安部隊も警察もすべて崩壊している」

「我々がイラクを崩壊させたのではない。他の者たちが崩壊させたのだ」

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
池内恵(いけうちさとし) 東京大学先端科学技術研究センター グローバルセキュリティ・宗教分野教授。1973年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、2008年10月より東京大学先端科学技術研究センター准教授、2018年10月より現職。著書に『現代アラブの社会思想』(講談社現代新書、2002年大佛次郎論壇賞)、『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社、2009年サントリー学芸賞)、『イスラーム国の衝撃』(文春新書)、『【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』 (新潮選書)、 本誌連載をまとめた『中東 危機の震源を読む』(同)などがある。個人ブログ「中東・イスラーム学の風姿花伝」(http://ikeuchisatoshi.com/)。
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