クリミアへの旅(7・最終回)「ウクライナワイン」の行く末
6月に訪れたウクライナ・クリミア半島の実情を、6回にわたって報告してきた。いよいよ最終回である。これまでは主に、自治州都シンフェロポリ周辺と首都キエフでの取材をもとにしてきたが、この時足を延ばした半島南部ヤルタの姿を紹介したい。
「2度と行くものか」
プーシキンやチェーホフが描く通り、ロシア人にとってクリミア半島はあこがれの保養地だった。筆者がロシアで会った人々の多くも、かの地の素晴らしさを称賛した。さぞかし風光明媚なところなのだろう、と期待してシンフェロポリに降り立ったら、何てことのない普通の街だ。ロシア人の趣味はわからないと首をひねりつつ、車でヤルタに向かい、海辺に近い峠を越えて納得した。確かに絶景である。一生のうち1度ぐらい見ておいても損はない。
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