イヌの姿が多様化したのは、少なくとも1万1000年前頃だった

2025年12月14日
タグ: 野生生物
アラスカで出土した更新世のオオカミの頭骨。イヌの姿の多様化を調べた研究で3Dモデルを構築する際に使われた[アメリカ・ニューヨークのアメリカ自然史博物館](C) C. Ameen/University of Exeter/Handout via REUTERS
パグ、ポメラニアン、ペキニーズといった小型犬から、グレートデン、セントバーナード、アイリッシュ・ウルフハウンドといった大型犬まで、今日のイヌはバラエティに富んだ姿かたちをしている。では、いつから多様化が始まったのだろうか。最新の研究では、近代の品種改良が行われる何千年も前から、イヌが様々な姿に変化していたことが分かってきている。

[ワシントン発/ロイター]家畜化されたイヌや、祖先である約5万年前のオオカミを含む頭骨643点を分析した研究の結果、最終氷期の終わり頃である1万1000年前までにはイヌの姿の多様化が始まっていたことが明らかになった。犬の多様性は、主に近世以降の選択飼育によって生じた新しい現象だとする従来の説を覆す発見だ。

「イヌの姿の多様化、特に大きさや形の極端な違いは、18〜19世紀に犬種が正式に確立された後に進んだとこれまで考えられてきた。しかし我々の研究は、先史時代の段階ですでに頭骨の多様化が大きく進んでいたことを示す」とモンペリエ大学とフランス国立科学研究センターの生物考古学者で、論文の共著者であるアロウェン・エヴァン氏は述べた。

 論文は、11月13日に学術誌『サイエンス』に掲載された。

 研究では、イヌがオオカミの祖先集団から分岐した後の比較的早い段階で、頭骨の大きさや形に顕著な違いが現れていたことも確認された。

カテゴリ: 医療・サイエンス
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