ギリシャ人外交官が集めた江戸浮世絵師たちの名品

執筆者:山内宏泰 2009年8月号
タグ: 中国 ドイツ 日本
エリア: ヨーロッパ

 ギリシャのコルフ・アジア美術館から、日本美術の収蔵品がごっそり運ばれてきた。 江戸東京博物館で九月六日まで開かれている「写楽 幻の肉筆画 ギリシャに眠る日本美術~マノスコレクションより」。鈴木春信に喜多川歌麿、葛飾北斎ら江戸浮世絵のビッグネームがずらりと並び、しかもかなりの名品揃いで見応えありだ。この大半が、もともとは個人の収集品だったというから驚く。集めたのはグレゴリオス・マノスなるギリシャの外交官。外交史や美術史に広く名を留めているわけではなく、そもそも東洋へ赴いたこともない。それでも東洋美術の一大コレクションを築いたこの人物、いったい何者なのだろうか。

カテゴリ: カルチャー
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執筆者プロフィール
山内宏泰(やまうちひろやす) ライター。文学・美術などの分野で執筆。著書に『文学とワイン』、『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』、『写真のプロフェッショナル』ほか。「文学ワイン会 本の音夜話」「写真を読む夜」などのイベントも主宰。
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