指導者層の交代と新たな価値観の台頭

執筆者:畑中美樹 2010年4月号
エリア: 中東

 中東の情勢は、常に世界の動きと連動しながら、他方で内在する固有の要因によっても突き動かされてきた。逆に、中東の変動が世界の情勢に大きく影響を与えることも少なからず起きた。今後二十年の中東においても、基本的には、これら三つのベクトルが相互に絡み合いながら影響を与えて行くことになろう。 第二次世界大戦後の中東を振り返ってみると、最も大きな影響を与えた世界の動きは「米ソ冷戦」「東西対決」という構造であった。その崩壊以降では、特にここに来て顕著となった中国を中心とする「新興国」の台頭が大きな影響を与えている。

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執筆者プロフィール
畑中美樹(はたなかみき) 1950年東京都生れ。慶應義塾大学経済学部卒業。富士銀行、中東経済研究所、国際経済研究所、国際開発センター エネルギー・環境室長などを経て現職。中東・北アフリカ地域で豊富な人的ネットワークを有する。著書に『石油地政学――中東とアメリカ』(中公新書ラクレ)、『オイルマネー』(講談社現代新書)、『中東湾岸ビジネス最新事情』(同友館)などがある。
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