4月24日の投開票へ向け、自民党総裁選が最終局面に入った。「誰がなっても政治は変わらない」というシニカルなムードも根強いが、自民党総裁イコール次期首相である以上、その行方は注視せざるを得ない。今回は、衆参の自民党国会議員による投票だけでなく、各都道府県連が独自に実施する予備選の結果を踏まえた地方代表票が加わるために、単に派閥の力学のみでは決まらない不確定要素もあり、波乱含みだ。 麻生太郎経済財政担当相、橋本龍太郎元首相、亀井静香政調会長、小泉純一郎元厚相の4立候補者は政権構想を発表、政策論争が繰り広げられている。日本が直面する経済危機を克服し、経済再生を成し遂げるには痛みを伴う改革が不可欠であり、政策論争は「真の改革者は誰か」との視点から見るべきであろう。いま指導者に求められるのは、日本再生へのヴィジョンを示しつつ、時には苦い薬を飲む必要を、説得力と信頼性をもって説くリーダーシップである。痛みを和らげる財政出動という名の「モルヒネ」の投与に力点を置く大衆迎合型は、危機の時代には相応しくない。
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