3月17日、国連安全保障理事会は、リビア上空に飛行禁止区域を設定する追加制裁決議を採択した。常任理事国のロシアと中国は軍事行動に反対していたが拒否権を行使せずに棄権した。19日には米国、英国、フランスなどの多国籍軍が、カダフィー政権軍の部隊と施設に、戦闘機と巡航ミサイルによる空爆を行なった。この空爆の軍事的な目的は、反政府軍に空爆を加えているカダフィー政権軍の航空能力を奪うことで、飛行禁止区域を設定することであった。
戦術的な軍事的目的は容易に理解できるとして、問題は多国籍軍の戦略的な目標である。カダフィー政権の反政府勢力への軍事行動をけん制するといっても、事態の展開次第では陸上兵力を送り、リビアの内戦に介入するという最悪の状況にまでエスカレートするリスクが存在する。
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