米国も及び腰「マリ情勢」はいまだ予断を許さず

 アルジェリアで起きた人質事件やフランスのマリ軍事介入によって、アフリカにおける武装ゲリラに対する注目がにわかに高まっている。

 1月11日介入したフランス軍とマリ政府軍は、翌日にはマリ中部の要衝地コンナを奪還、21日には空爆と地上戦で同じく中部のディアバルをイスラム武装勢力から奪取し、空港のある政治軍事的要衝地セバレに到達していた。その後フランス・マリ政府軍はイスラム武装勢力が占領してきた北部に進行し、1月25日に西アフリカ諸国統一・聖戦運動(MUJAO) の拠点ガオを制圧。ついで28日には空港のあるトンブクトゥ、30日にはキダルの空港を制圧した。1月末にはマリ北部の武装勢力の拠点となっていた要衝都市をほぼ掌中にした。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
渡邊啓貴(わたなべひろたか) 帝京大学法学部教授。東京外国語大学名誉教授。1954年生れ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程・パリ第一大学大学院博士課程修了、パリ高等研究大学院・リヨン高等師範大学校・ボルドー政治学院客員教授、シグール研究センター(ジョージ・ワシントン大学)客員教授、外交専門誌『外交』・仏語誌『Cahiers du Japon』編集委員長、在仏日本大使館広報文化担当公使(2008-10)を経て現在に至る。著書に『ミッテラン時代のフランス』(芦書房)、『フランス現代史』(中公新書)、『ポスト帝国』(駿河台出版社)、『米欧同盟の協調と対立』『ヨーロッパ国際関係史』(ともに有斐閣)『シャルル・ドゴ-ル』(慶應義塾大学出版会)『フランス文化外交戦略に学ぶ』(大修館書店)『現代フランス 「栄光の時代」の終焉 欧州への活路』(岩波書店)など。最新刊に『アメリカとヨーロッパ-揺れる同盟の80年』(中公新書)がある。
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