「マンデラの右腕」ラマポーザの政界復帰で南アは変わるか

執筆者:平野克己 2013年2月19日
タグ: 日本
 ANC総裁の続投が決まったズマ大統領(右)と新たに副総裁に選出されたラマポーザ氏(c)AFP=時事
ANC総裁の続投が決まったズマ大統領(右)と新たに副総裁に選出されたラマポーザ氏(c)AFP=時事

 2012年12月に南アフリカの与党であるアフリカ民族会議(ANC)の党大会が開かれ、圧倒的多数でジェイコブ・ズマ総裁の続投が決まった。南アフリカでは来年総選挙が行なわれるが、ズマが引き続き大統領を務めることが、実質上決まったのである。

 ズマは評価が難しい人物だ。現在彼には4人の妻がいて、うち3人とは大統領になってから結婚している。外務大臣からAU(アフリカ連合)委員会議長に転身したドラミニ=ズマは2番目の妻だが、1999年に離婚した。婚外子を含めて20人以上の子供がおり、1億円を超える扶養手当を受給している。南アフリカでは民法規定の多くが民族ごとの慣習法に任されているから複婚は違法ではないが、こんな大統領は世界でもアフリカでも珍しい。

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執筆者プロフィール
平野克己(ひらのかつみ) 1956年生れ。早稲田大学政治経済学部卒、同大学院経済研究科修了。スーダンで地域研究を開始し、外務省専門調査員(在ジンバブエ大使館)、笹川平和財団プログラムオフィサーを経てアジア経済研究所に入所。在ヨハネスブルク海外調査員(ウィットウォータースランド大学客員研究員)、JETRO(日本貿易振興機構)ヨハネスブルクセンター所長、地域研究センター長などを経て、2015年から理事。『経済大陸アフリカ:資源、食糧問題から開発政策まで』 (中公新書)のほか、『アフリカ問題――開発と援助の世界史』(日本評論社)、『南アフリカの衝撃』(日本経済新聞出版社)など著書多数。2011年、同志社大学より博士号(グローバル社会研究)。
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