「ベトナム独立戦」を支えた旧日本軍「秘密戦士」の生涯(上)中野学校からサイゴンへ

執筆者:吉村剛史 2020年8月15日
タグ: 日本
エリア: アジア
谷本喜久男氏の生涯が明かされる……(次女の牧田喜子さん提供、以下同)

 

 唐突だが、「ベトナム」(越南)と聞いて何を連想するだろうか。一定の年齢層ならば、「戦争」や「枯葉剤」などを思い浮かべるかもしれない。

 若者なら「フォー」や「生春巻き」「アオザイ」など親しみのある食や民族衣装のイメージが先行するだろう。

 だが、先ごろ最新作が公開されたシルヴェスター・スタローン主演のハリウッド映画『ランボー』シリーズの主人公が、心に傷を負ったベトナム帰還兵という設定であることを思い出してほしい。世界の超大国・米国において、ベトナムでの死闘は遠い過去の物語ではない。

カテゴリ: 社会 カルチャー
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執筆者プロフィール
吉村剛史(よしむらたけし) 日本大学法学部卒後、1990年、産経新聞社に入社。阪神支局を初任地に、大阪、東京両本社社会部で事件、行政、皇室などを担当。夕刊フジ関西総局担当時の2006年~2007年、台湾大学に社費留学。2011年、東京本社外信部を経て同年6月から、2014年5月まで台北支局長。帰任後、日本大学大学院総合社会情報研究科博士課程前期を修了。修士(国際情報)。岡山支局長、広島総局長、編集委員などを経て2019年末に退職。以後フリーに。 主に在日外国人社会や中国、台湾問題などをテーマに取材。著書に『アジア血風録 』(MdN新書、2021年)。共著に『命の重さ取材して―神戸・児童連続殺傷事件』(産経新聞ニュースサービス、1997)『教育再興』(産経新聞出版、1999)、『ブランドはなぜ墜ちたか―雪印、そごう、三菱自動車事件の深層』(角川文庫、2002)、学術論文に『新聞報道から読み解く馬英九政権の対日、両岸政策-日台民間漁協取り決めを中心に』(2016)など。 日本記者クラブ人会員。YouTube番組『吉村剛史のアジア新聞録』『話し台湾・行き台湾』(Hyper J Channel)等でMCを担当。
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