「ディディ」アプリDL停止:習近平「デジタル・レーニン主義」と、その新たな敵

執筆者:滝田洋一 2021年7月13日
エリア: アジア
中国当局はディディ関連の25種のアプリに問題があると指摘している   ©︎AFP=時事
米ニューヨーク市場でIPO(新規株式公開)したばかりの配車サービス大手ディディ(滴滴出行)が、中国当局からアプリ配信停止の措置を受けた。ファーウェイ制裁など国家vs.国家の対立のみならず、マネー市場を介して敵と結びつきかねない自国IT企業への締め付けにも、米中テック・ウォーの影響は拡大している。

 データを新しい石油だと主張する全ての人にはこう言おう。「ほら、新しい『グレート・ゲーム』が始まったよ」――と。今年1月4日、米ユーラシア・グループが発表した2021年版グローバル10大リスク(Top Risks 2021)は、5番目のリスクとして「グローバルデータの因果応報」を挙げていた。

   中国ネット配車の滴滴出行(ディディ)が米国で株式を公開した直後に、中国当局は同社に投網をかけた。米欧そして日本が中国に自国のデータを抜き取られることを心配しているさなかに、その中国当局が自国企業にデータ管理を振りかざす。一瞬、戸惑いを覚えるような出来事は、データをめぐる「グレート・ゲーム」を象徴する。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
滝田洋一 1957年千葉県生れ。日本経済新聞社編集委員。テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」解説キャスター。慶應義塾大学大学院法学研究科修士課程修了後、1981年日本経済新聞社入社。金融部、チューリヒ支局、経済部編集委員、米州総局編集委員などを経て現職。リーマン・ショックに伴う世界金融危機の報道で2008年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。複雑な世界経済、金融マーケットを平易な言葉で分かりやすく解説・分析、大胆な予想も。近著に『世界経済大乱』『世界経済 チキンゲームの罠』『コロナクライシス』など。
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