Weekly北朝鮮『労働新聞』
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「習近平」が言及されず1カ月、対日論調には微妙な変化(2024年6月9日~6月15日)

日韓メディアは、2018年に2人が散策した大連の公園に設けられていた両者の足跡が最近消されたと報じた[中国・大連で習近平国家主席(右)と歩きながら話す金正恩朝鮮労働党委員長=朝鮮中央通信が配信、2018年5月9日](C)EPA=時事
6月12日付1面トップには、ロシアの日(「ロシア連邦国慶節」)に際して金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長がウラジーミル・プーチン大統領に宛てた祝電が掲載された。昨年の祝電と比べて分量は大きく変わらないが、プーチンの敬称が「閣下」から「同志」へと格上げされているほか、昨年9月の露朝首脳会談で両国関係が「不敗の戦友関係、百年大計の戦略的関係に昇華した」ことに触れている。
同日付第2面では、駐朝ロシア大使が北朝鮮の対外経済相らを招待して大同江(テドンガン)外交団会館で祝宴を催し、参加者が金正恩とプーチンの健康を祈念して乾杯したことが報じられた。第6面掲載の「強力な国家建設を志向するロシア」と題する記事では、プーチンが国防力強化や経済建設で指導力を発揮していることが紹介された。また、15日付第6面の「ロシア大統領が技術発展問題について言及」と題する記事では、プーチンの発言が短く紹介された。
プーチンやロシアについての記事が目立つ一方、気になるのが対中論調の変化である。「習近平」国家主席については、プーチン訪中を報じる5月19日の記事で一言だけ触れて以降、一切言及がない。

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