ほぼベジタリアンだったアウストラロピテクス

2025年2月1日
カテゴリ: 医療・サイエンス
南アフリカで発掘されたアウストラロピテクスの7本の臼歯のうち2本を描いたイラスト。アウストラロピテクスの食性に関する新たな研究でサンプリングされた (C)Dominic Jack, Max Planck Institute for Chemistry, Germany/Reuters
約420〜190万年前にかけてアフリカ東部と南部に生息していたアウストラロピテクスは、人類史を理解する上で重要な祖先だとされている。彼らは類人猿に似た顔の比率と、現生人類の約1/3の大きさの脳、そして木登りに適した湾曲した長い腕を持ち、直立二足歩行をしていた。このアウストラロピテクスが肉を食べていたかどうかは、脳の発達と肉の摂取の関係を研究する上で重要なテーマになってきたが、論争に決着をつけるかもしれない研究成果が発表された。

[ロイター]人類の進化の過程で、肉を食べ始めたことは脳の巨大化などにつながる大きな転機だったと考えられている。しかし、人類の祖先が肉を食べ始めた時期や、どの祖先が食べ始めたかは謎に包まれたままだ。

 1月16日に学術誌『サイエンス』に掲載された新たな研究では、類人猿とヒト両方の特徴を持つ初期の人類「アウストラロピテクス」が肉をほとんど食べず、菜食中心の生活をしていたと発表された。研究は、南アフリカで発見された約370〜330万年前のアウストラロピテクス7個体の歯を調査したもの。歯のエナメル質の成分を分析し、アウストラロピテクスの食性を解明した。食性に関する直接的な証拠が示されるのは初めてとなる。

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