米上院は12月22日の本会議で、ロシアとの核軍縮条約である新START(戦略兵器削減条約)の批准を賛成71、反対26で承認した。これは、中間選挙で大敗したオバマ政権にとってはかなりの「金星」といえる。11月の時点では、共和党側が敢えて「核なき世界」でオバマ外交に得点を挙げさせるような協力姿勢をとることはないだろうという悲観的な見方が支配的だったからだ。
この逆転成功の理由のひとつには、他のふたつの重要法案、ブッシュ減税の継続と、同性愛者の軍への入隊禁止規制の撤廃同様、これまでの民主党議会だけに頼る手法から、共和党議会の協力を求める手法に切り替えたことがある。オバマ政権は、中間選挙での敗北により、2011年の議会からは共和党議会からの協力なしには法案は成立しないという厳しい現実が待ち受けているため、今後の新しい政治の現実の先取りともいえる。
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