企業責任から逃走する東電

執筆者:塩谷喜雄 2011年4月19日
エリア: 日本

 福島第一原発の事故は、住民への損害賠償が日程に上り、水面下でうごめいていた企業責任をめぐる葛藤が、表面化してきた。日本経団連の米倉弘昌会長は事故から1カ月後の4月11日に記者会見して、東京電力に責任はないとの異様な東電擁護論を展開した。首相肝いりの復興構想会議の設立、原子力損害賠償法(原賠法)に基づく賠償紛争審査会の設置と、震災と事故に伴う巨額の資金問題がようやく表舞台で議論のまな板に載る。リーマンショックで世界の経済をどん底に突き落としたのは、市場の罠に名を借りた一部経営者の「グリード(強欲)」だった。日本でも、企業責任からの逃走を図る経営者の「因業」は、震災と原発事故で疲弊している社会を、さらなる窮地へと追い込む危険性をはらんでいる。

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執筆者プロフィール
塩谷喜雄 科学ジャーナリスト。1946年生れ。東北大学理学部卒業後、71年日本経済新聞社入社。科学技術部次長などを経て、99年より論説委員。コラム「春秋」「中外時評」などを担当した。2010年9月退社。
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