ドイツ出身のベネディクト16世(本名ヨーゼフ・アロイス・ラッツィンガー)が、世界に11億人の信者を持つカトリック教会の頂点であるローマ法王に選ばれてから4月で7年になる。 前任のヨハネ・パウロ2世に比べて国際社会での影は薄いうえ、一般信者の人気も低迷している。しかも、最近では、法王宛ての親書などバチカンの機密文書が漏れ出し、イタリア・メディアで連日のように取り上げられるという前代未聞の事件が発生した。奥の院からの情報漏洩は、カトリック総本山バチカン(ローマ法王庁)への信頼を著しく損なうとともに、バチカン官僚のトップであるタルチジオ・ベルトネ国務長官を軸とした内部抗争が起きていることを示している。
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